プラットフォーム概要
介護施設での「食体験」を向上するプラットフォームの可能性
吉田
酒井さん
私たちは、介護施設での食体験向上を支援するためのプラットフォームを提供しています。従来、ご家族が高齢者に面会する際に、何かお土産を持っていくことが多いのですが、それを簡単に購入・提供できる仕組みを作り上げました。面会予約の際に、お土産として食品を注文し、訪問当日に施設で受け取れるようにしています。
吉田
ご家族が施設に直接お土産を届ける形を簡素化し、予約と連携させているのですね。
酒井さん
はい、さらに食品についてもこだわりがあり、ご高齢者でも楽しんで食べられるような「インクルーシブフード」を提供しています。誰が食べても美味しい、見た目にも満足感のある商品です。
サービスの特徴と課題
介護施設と収益のシェア、従業員のモチベーション向上も視野に
吉田
このプラットフォームが介護施設や従業員に与えるメリットは何でしょうか?
酒井さん
大きなメリットは収益につながる点です。施設が私たちのプラットフォームを利用することで、ご家族がお土産を購入した際の手数料を施設側にも還元する仕組みになっています。また、プラットフォームを通して売り上げが増えることで、従業員の方々のモチベーションにもつながると考えています。
吉田
確かに、直接的な収益があると従業員にもメリットが感じられやすいですね。
酒井さん
そうなんです。介護施設で働く人たちにとって、モチベーションを維持することはとても重要です。そのため、サービスの導入による直接的な収益が従業員のモチベーションにどれだけ貢献できるかを今後も見守っていきたいと考えています。
酒井さんの起業の経緯
医師から起業家への転身、その裏にある「食べる」ことへの情熱
吉田
酒井さんは医師としてご活躍されていたとのことですが、なぜ起業の道を選ばれたのでしょうか?
酒井さん
私は13年にわたり医師をしていました。主に救命救急医療に従事していたのですが、患者の多くは高齢者で、病院に運ばれてくる理由も病気だけでなく、動けなくなったり転倒したりといった要因が多いです。在宅医療に転向してから、「食べる」ことの重要性に気づかされました。医療保険でできるのは限られた栄養補助食品の提供のみで、患者が「食べることを楽しむ」ことは難しいのです。これが、私が介護に関するサービスを立ち上げる大きな動機になりました。
挑戦の背景にある次世代への責任感
未来の介護システムをどう変えるか—次世代への想い
吉田
酒井さんが挑戦する原動力には、未来に対する責任感があると伺いましたが、その思いについてお聞かせいただけますか。
酒井さん
はい、次の世代に対する責任は常に意識しています。医療や介護は、病気や要介護状態になった人を支えるセーフティネットです。しかし、それが無尽蔵に拡大すれば、次世代への負担が大きくなります。そこで、私たちが提供するプラットフォームが、持続可能な介護業界を形成するための一助になれればと思っています。
吉田
従来の介護保険では、元気な人にはインセンティブが働かない構造が課題だと感じておられるのですね。
酒井さん
そうです。現在の介護保険は要介護度が進むほど支給額が増える仕組みです。このため、元気になってもメリットが少ないのです。私たちのプラットフォームが、新しいエコシステムの一環となり、介護施設や関係者がインセンティブを持って働ける環境を整えることができればと考えています。
日本の介護を世界に輸出するというビジョン
「お荷物」ではなく、「成長産業」としての日本の介護
吉田
酒井さんのビジョンには、日本の介護を「成長産業」として発展させたいという願いもあるそうですね。
酒井さん
そうです。日本の介護サービスは非常に高品質であり、国際的な価値があります。私は、これを「お荷物」ではなく、外貨を稼ぐ「成長産業」として育てたいと思っています。日本の介護サービスを海外に輸出し、国内では難しい収益化を実現することで、介護業界全体が持続可能な産業として発展していくことを目指しています。
まとめ
酒井さんが目指すのは、日本の介護を次世代へ引き継ぎ、持続可能な産業として成長させることです。介護保険の限界を乗り越え、元気な高齢者が楽しめる「食体験」や、収益性のある介護サービスの提供を通じて、未来の介護業界を支えるエコシステムを築こうとしています。酒井さんの挑戦は、日本の介護がより良い未来に向けて歩みを進めるための一歩となるでしょう。
Reinvent health株式会社
- 担当者名
- 酒井和也
- メールアドレス
- info@reinvent-health.com
- Webサイト
- https://reinvent-health.com/