「笑顔の魔法を病棟に」日本クリニクラウン協会アンバサダー橋本英郎が語る活動の舞台裏

よろしくお願いします。

私が日本クリニクラウン協会を知ったきっかけは、2009年に娘が生まれたことです。子どもが風邪をひいたり、小さな事故に遭うたびに不安になり、ついインターネットで調べたりしていました。その中で、「病気や入院生活に苦しむ子どもたちがいる現実」を知り、衝撃を受けました。
その後、自分に何ができるか考え始め、いろいろな団体や活動を調べる中で出会ったのが、日本クリニクラウン協会でした。彼らの活動に心を打たれ、自分の力で支援の輪を広げたいと思ったのが始まりです。

日本クリニクラウン協会では、赤い鼻をつけたピエロが小児病棟を訪問します。子どもたちと一緒に遊んだり、皿回しやトランプなどを通じて笑顔を引き出す活動を行っています。これは単なる遊びではなく、子どもの「病棟生活」を少しでも明るくし、親御さんにも束の間の安心感を与えるものです。
この30分間は短いようで、子どもたちの心を癒やす大切な時間です。また、その間、親御さんは子どもと離れて休息できることも重要なポイントだと思います。

はい。ガンバ大阪での活動を皮切りに、各チームでチャリティーイベントやグッズ販売を通じて日本クリニクラウン協会の認知を広げる努力をしてきました。サッカー選手として培ったネットワークを活用し、チームメイトや後輩選手にも協力してもらいながら進めています。
特に引退試合では、特別支援学校の子どもたちや子どもホスピスの利用者をスタジアムに招待し、直接日本クリニクラウン協会の活動を体感してもらう場を作りました。これをきっかけに「もっと元気になりたい」「またスタジアムに行きたい」と思ってもらえたら嬉しいです。

やはり寄付やチャリティーへの意識が低いことです。欧米ではアスリートや俳優が自然に寄付文化に関与していますが、日本では「偽善ではないか」という視点がまだ根強いと感じます。ただ、それでも助けられる人がいるのなら、偽善であっても価値があると私は思います。
また、日本では寄付を行いたくても、適切な団体やプロセスを見つけるのが難しい現状があります。この点を改善するためには、寄付をもっと身近でスムーズなものにする社会的な仕組みづくりが必要だと考えています。

一番の目標は、もっと多くの人に日本クリニクラウン協会の活動を知ってもらうことです。そのためには、イベントやSNSを活用して、より多くの接点を作りたいと考えています。
また、病棟で活動するクリニクラウンのメンバーを増やすことも急務です。彼らは厳しいトレーニングを経て現場に出ていますが、現在の人数ではすべての小児病棟をカバーするのは難しい状況です。これを改善するためには、活動を支える資金や寄付も重要になります。

「誰ひとり取り残さない社会」を実現するためには、一人ひとりが支援の輪を広げることが大切です。日本クリニクラウン協会の活動はその一例にすぎませんが、皆さんが少しでも興味を持ち、寄付やボランティアなどの形で参加していただければ、きっと社会全体が変わっていくはずです。