eスポーツと地域コミュニティの連携
シニア層へのアプローチ
吉田
五十嵐さん
シニア層に関して言うと、2020年度にはセガに問い合わせいただき開催された許諾イベントが5件程度しかなかったのですが、2023年度では330件ほどまでに増えています。障がい者向けの許諾イベントも、11件から91件まで増えています。
吉田
この増加の背景には何があるのでしょうか?
五十嵐さん
シニア層の場合、ねんりんピックでeスポーツが採用されたことが大きなきっかけです。「eスポーツに参加したいが、どうやって始めればいいかわからない」という課題があり、年間でセガには150件以上の問い合わせがあります。
※全国初のシニア専用eスポーツ施設
ぷよぷよキャンプと地域大会の活性化
五十嵐さん
セガでは「ぷよぷよキャンプ」という公式のコミュニティサイトがあり、全国からさまざまな大会情報が投稿されています。これを通じて、選手が集まりやすくなり、年間で1500件ほどの大会が開催されています。
吉田
地域での大会開催の様子はいかがですか?
五十嵐さん
地域によって異なりますが、最近では小学生大会も行われています。どの大会も参加者が多く、特にオンライン大会では80人ほどが集まり、小学生からプロプレイヤーまで参加しています。
細山田さん
プロプレイヤーが主催する大会や、コミュニティ内で自然発生的に行われる大会もあります。
世界とのつながり — オンラインと国際大会
フランスからのオンライン大会
吉田
オンライン大会ではどのような取り組みがされていますか?
五十嵐さん
最近、フランスの方が主催したオンライン大会があり、朝4時(日本時間)から開始されました。プロも参加しており、英語を話せる日本のプロプレイヤーが実況解説を担当しました。
吉田
そんなに早い時間でも、プロが参加するなんてすごいですね!
五十嵐さん
オンラインの普及によって、地域を超えて世界中のプレイヤーが参加できるようになり、国際大会も頻繁に開催されています。特に日本と韓国の対戦は盛り上がりますね。
コロナ禍とオンラインの適応
吉田
コロナ禍でオンラインが重要性を増しましたが、eスポーツ業界の適応は早かったように思います。
五十嵐さん
そうですね。コロナ禍になったとき、オンライン対応が急務となりました。小学生でもオンライン大会に参加できる環境が整い、オンライン開催が一般的になりました。
新しい挑戦 — スマートフォンゲームと未来の展望
スマホゲームの新作とグローバル展開
吉田
セガが今後目指している方向性について教えてください。
五十嵐さん
今、スマートフォンを中心にPCやタブレットなどでも楽しめるiOS端末向けの新作ゲーム『ぷよぷよパズルポップ』がリリースされています。これを通じて、世界大会の開催を視野に入れています。
細山田さん
『ぷよぷよパズルポップ』は、「Apple Arcade」というサブスクリプションサービスで提供しており、150以上の国・地域で配信中です。これからさらに評価を上げて広げていきたいと考えています。
吉田
スマートフォンゲームがより身近になり、手軽にプレイできるのは大きな強みですね。
五十嵐さん
電車の中でも気軽にプレイできますしね。これからはさらに多くの人に楽しんでもらえるようにしたいです。
eスポーツと国際大会の展望
吉田
今後のeスポーツ大会の展望について教えてください。
五十嵐さん
セガでは「ぷよぷよ」と「バーチャファイター」のeスポーツ大会を世界規模で展開することを目指しています。2024年には外国人プレイヤーも巻き込んだ大会を開催し、2025年には世界大会を実現したいですね。
細山田さん
国体文化プログラムとなる「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」での全国大会も毎年注目されています。地域の学生が大会運営に協力し、地域活性化にもつながっています。
まとめ — ゲームの力でつながる世界
今回のインタビューを通じて、セガがeスポーツを通じて地域やコミュニティ、さらには世界とのつながりを強化し、社会課題の解決に取り組んでいる姿が浮き彫りになった。シニア層や障がい者とのコミュニケーション促進、スマートフォンゲームを活用した新たなチャレンジ、そして世界規模での大会開催を目指すセガの姿勢は、エンターテインメントの可能性を広げるものである。今後もセガがどのようにeスポーツを通じて社会に貢献していくのか、目が離せない。
株式会社セガ
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