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INTERVIEW 2024.10.23

甲子園優勝球児から植木業界のリーダーへ—善林拓海氏が語る、野球から庭造りへの転身と新たな挑戦

甲子園のフィールドで熱戦を繰り広げた元高校球児が、現在は植木業界の最前線で活躍しています。ヤマゼン株式会社の代表取締役、善林拓海氏。甲子園優勝という栄光と、怪我による選手生命の終わりを経て、家業である植木業へと進んだ彼の転身は、野球での「勝利への執念」がビジネスにも活かされているといいます。今回は、野球から植木業界への移行、そして業界での新たな挑戦について伺いました。
ヤマゼン株式会社
代表取締役 / 善林拓海さん

野球との出会いと甲子園優勝の経験

吉田
善林さん、まずは野球を始めた頃のお話を聞かせてください。どのようにして野球に出会い、甲子園出場まで至ったのでしょうか?
善林さん
小学校の頃にソフトボール投げが得意で、そこから自然と野球に興味を持ち始めました。中学校に進学して本格的に野球を始め、夢中になりましたね。甲子園出場は作新学院進学後に実現しましたが、本当に夢のような体験でした。
吉田
甲子園での優勝を振り返って、どのように感じていますか?
善林さん
甲子園での経験は一生の宝物です。ただ、僕自身は甲子園ではメンバーから外れてしまったんです。その悔しさが今の私の原動力となっています。野球で培った「諦めない心」は、今のビジネスにも大いに役立っています。

植木業界への挑戦

吉田
野球と植木業界はあまり結びつかないように感じますが、植木業に進む決意をした背景を教えてください。
善林さん
家業が植木の生産だったので、幼少期から手伝う機会が多かったんです。しかし、大学で他の選手たちに囲まれて自分の将来について考えるようになり、「自分で何かを作り上げたい」という思いが芽生えました。責任を持って挑戦できる環境に魅力を感じ、最終的には社長になる決意を固めました。

ヤマゼン株式会社の強みと競争力

吉田
ヤマゼン株式会社では、植木の生産を軸に庭のデザインや管理も行っていると伺いました。具体的にはどのようなサービスを提供されていますか?
善林さん
当社の最大の強みは、自社で植木を生産していることです。これによりコストを抑え、他社より約20%安く提供できます。植木の選定から庭のデザイン、その後の管理まで、一貫して対応できるのが強みです。また、専門知識を活かしたデザイン提案やアドバイスも行っています。
吉田
自社生産によるコスト削減と競争力が、顧客にとっても大きな魅力ですね。
善林さん
はい。季節ごとに最適な植木を提供することで、見た目の美しさだけでなく、メンテナンスも楽になります。お客様に「安心して任せられる」と感じてもらえることが重要です。

若い世代と年配世代の庭に対する考え方

吉田
庭作りにおいて、若者と年配の世代で異なるニーズがあると聞きましたが、それについてどう感じていますか?
善林さん
そうですね、世代によって好みが大きく異なります。若い世代はシンプルでモダンなデザインを好みますが、年配の方は伝統的な日本庭園や自然な風合いのデザインを好む傾向があります。当社では、それぞれのニーズに合わせた提案を行っています。

ITとSNSの活用による新たなチャレンジ

吉田
今後の展望として、ITやSNSの活用についてお考えをお聞かせください。
善林さん
これまではITやSNSに頼らず、従来の方法で仕事をしてきましたが、今後は積極的に活用していきたいと考えています。特に若い世代からの提案で、SNSを通じた発信や顧客とのコミュニケーションを強化していきたいです。また、庭や家のデザインをスマートフォンでシミュレーションできるアプリの開発にも興味があります。まだ具体的な進展はありませんが、将来的にはお客様が簡単に理想の庭をデザインできるツールを提供したいです。

地方郊外での庭作りと理想の家の実現

吉田
地方郊外での庭作りにも興味を持っていると伺いましたが、そのビジョンを教えてください。
善林さん
地方郊外には広大な土地があり、それを活かした庭作りの可能性は無限にあります。カリフォルニア風や和風など、さまざまなスタイルの庭や家を提案できます。また、都会では限られたスペースでデザインを工夫する必要がありますが、地方郊外では自由なデザインが可能です。今後は、理想の家と庭を一体化させたプロジェクトを進めていきたいです。

善林拓海氏が見据える植木業界の未来

甲子園優勝という栄光を持ちながら、怪我によって野球から転身した善林拓海氏。彼はその経験を活かし、植木業界で新たな挑戦を続けています。自社生産による競争力を活かし、顧客ニーズに応じた庭作りを提案する一方で、ITやSNSを活用して未来の庭作りの可能性を広げています。さらに、地方郊外での理想的な空間作りへの取り組みも進め、今後も注目される存在となるでしょう

ヤマゼン株式会社
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