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INTERVIEW 2025.05.26

世界王者が見た、その先の景色ーーボクシングが導いたもうひとつの挑戦

世界王者の座を掴みながらも、引退後すぐに“裏方”へと回ったボクサーがいます。元WBOスーパーフェザー級チャンピオン・伊藤雅雪さん。
選手として世界と戦った彼が、今挑んでいるのは、ボクシング界そのものを変えること。“見せるスポーツ”としてのボクシングを再定義し、次世代へつなぐための挑戦と伊藤さんの原動力に迫ります。

ボクシングのイメージを変えるために

吉田
まずは率直に伺いますが、ボクシングというと「怖い」「痛そう」といったイメージを持っている方も少なくないと思います。伊藤さんはそのあたり、どう感じられますか?
伊藤さん
実際そのイメージは根強いですよね。僕が子どもの頃も、ボクシングをやっている人ってちょっと怖い人って思われがちでしたね。上下関係も厳しくて、いわゆる“昭和の体育会系”の世界という印象が強かったと思います。
吉田
たしかに、フィクションの中でも“厳しいジムの会長”とか“血のにじむような練習”という描かれ方が多かったですよね。
伊藤さん
そうそう。でも今のボクシングは全く違うんですよ。フィットネスとして通う方も増えましたし、初心者でも入りやすい環境が整ってきています。
吉田
最近は街中にもボクシングフィットネスという看板をよく見かけます。
伊藤さん
駅近に女性専用のジムや、親子向けのキッズクラスがあるジムも増えていて、本当に“誰でも始められる”スポーツになりつつあります。
吉田
「怖い」「痛そう」というイメージから、「健康的」「楽しい」というイメージに変わりつつあるんですね!
伊藤さん
そのとおりです。もちろん、競技としてはハードな面もありますが、それ以上に自分の体を知る楽しさや、パンチを打ってストレス発散する爽快感など、多くの人に知ってほしい魅力がたくさんあるんですよ。

世界に広がる「日本ボクシング」の存在感

吉田
日本のボクシング界、世界的にも注目されていると聞きました!
伊藤さん
はい。井上尚弥選手や中谷潤人選手など、世界で活躍する日本人選手が増えています。軽量級では特に日本人チャンピオンが多いんですよ。
吉田
軽量級だと、日本人の体格にも合っているってことなのでしょうか?
伊藤さん
そうですね。でも今は、重量級でも世界で通用する日本人選手が出てきています。ボクシング全体が盛り上がっていますね。

初心者でも楽しめる!ボクシングの魅力とは

吉田
ボクシング観戦を始めるにあたって、押さえておくと良いポイントってありますか?
伊藤さん
まず、ボクシングはとてもシンプルな競技です。パンチだけで勝負する。肘や頭突きは禁止です。だから初めて見る人でも分かりやすい。あと、階級によってスピード感も違うので、自分の好きな階級を見つけるとより楽しめますよ。
吉田
わかりやすい競技性もあって、親しみやすいんですね。
伊藤さん
はい。実際、今ジムにはダイエット目的で通う方も多いです。怖そうに見えて、意外と初心者に優しい世界なんですよ。

ボクシングがくれた「自分と向き合う時間」

吉田
伊藤さんにとって、ボクシングとはどんな存在ですか?
伊藤さん
ボクシングは、単なるスポーツじゃないです。リングの上では、一瞬の油断が命取りになります。だから常に自分と向き合わないといけない。集中力と精神力が鍛えられる、本当に奥深い競技です。
吉田
心も身体も同時に鍛えられるんですね!
伊藤さん
はい。そして、試合の中にはドラマがあります。勝ったり負けたり、そこに至るまでのストーリーがあって、それを知ると応援する楽しさも倍増します。

ボクシング界を変えるために挑戦していること

吉田
ボクシング界の課題について伺いたいです。
伊藤さん
僕は、ボクシング界の認知度をもっと上げたいんです。世界的なスポーツなのに、一般的な認知では格闘技イベントやMMAに負けている。だから自分が手掛けているイベントでは、試合だけじゃなく演出や事前PRに力を入れています。
吉田
スポーツイベントとしてのエンタメ性も意識されているんですね。
伊藤さん
そうです。選手のストーリーを掘り下げたり、入場演出にこだわったり。ボクシングの本質は守りながら、見て楽しいイベントになるよう心がけています。

若さと戦略で創る次世代のボクシングイベント」

吉田
伊藤さんは現在34歳ということですが、まだまだ若い世代のリーダーとして、他にはない取り組みをされていますよね。
伊藤さん
僕の年齢でボクシングイベントを主催している人って、本当に少ないんです。だからこそ、若い自分だからこそできる発想やスピード感を活かして、従来とは違うアプローチをしています。
吉田
トレジャーボクシングで開催されているイベントも、かなり特徴的だと伺っています。
伊藤さん
僕たちが目指しているのは予測不能なカードによるサバイバルマッチです。どちらが勝つかわからない、実力拮抗の試合を中心に組んでいるんです。しかも、海外から実力ある選手を招いて、選手にとっても挑戦的なマッチアップを心がけています。
吉田
観ている側からすると、ワクワクしますね。
伊藤さん
そうなんです。「絶対こっちが勝つな」って試合よりも、1ラウンドごとに展開が変わるような緊張感のある試合のほうが、断然おもしろい。僕たちの大会を観た人が「これ、普通のボクシングと違うね」と感じてくれることを目指しています。
吉田
確かに、ただの競技だけじゃなく“魅せる”という視点も強いですね。
伊藤さん
そうですね。演出や進行にも工夫を入れています。たとえば入場シーンや照明、音楽、ラウンドガールの演出など、総合的に“イベント”として成立するようにしています。ボクシングって“真剣勝負”だからこそ、少しの演出で格段に引き込まれるものになるんです。
吉田
そういった新しい試みに挑戦できるのも、若い力があるからこそかもしれませんね。
伊藤さん
そうかもしれません。現役を引退したばかりで、選手の気持ちも理解できるし、同時に興行者としての視点も持てる。その中間にいる今だからこそ、業界全体をつなぐ架け橋になれるんじゃないかと思っています。

「誰でも楽しめる」スポーツに

吉田
最後に、今後の目標を教えてください。
伊藤さん
もっとボクシングのハードルを下げたいと思っています。
怖い、わからない、難しいといったイメージをなくして、誰でも楽しめるスポーツにしていきたい。
そのために、イベントづくりも、選手育成も、発信も、全部全力で取り組んでいきます!

まとめ

競技そのものの魅力だけでなく、選手たち一人ひとりのドラマや、スポーツの持つ力を信じ、広げようとするその姿勢に、多くの人が引き込まれることでしょう。 これからのボクシング界が、より多くの人に愛され、社会に根付いていくために、 これからも伊藤さんの挑戦はボクシング界の未来を変える大きな一歩となるでしょう。

株式会社 Treasure Boxing Promotion
担当者名
代表取締役 伊藤雅雪
メールアドレス
info@tb-promotion.com
Webサイト
https://tb-promotion.com/
YouTube
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X(旧Twitter)
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